常盤電氣地蔵尊 その2
先日,郡上八幡で見つけた「常盤電気地蔵尊」について疑問がいくつか解決した。
「常盤」は祀られている八幡町内の旧地名(常磐町[ときわまち]・現在は島谷)を示していた。
そしてお地蔵様の謂れは次のようであった。
近くを流れる吉田川の三角岩の淵には川の主が住んでいたという。この川の主は水遊びの子を引き込んだそうだ(この話から想像すると川の主は河童の類ではないかと思われるが,水難事故が多かったのであろう)。1810年(文化7年)7月に郡上青山藩の重臣・佐藤将監が、岩の上に水難よけの地蔵を祀って以降は水死者もなくなったそうだ。きっと地元で大切にされていたと思われるが,1893年(明治26年)8月におきた集中豪雨による大洪水で流されてしまったらしい。ところが,後年(現在のところ不明)に行われた河岸工事中に発見され,有志により中部電力前に祠を建てて祀られたということだった。
結局,お地蔵様にこめられた願いと「電気」には関係はなかった。電気は中部電力の建物を示していると考えられ,常盤電気地蔵とは,常盤町にある中部電力前のお地蔵様ということになりそうだ。
約200年前に建立され洪水に流されたことを思えば,光背の欠けや全体の磨耗も納得できる。毎年7月には供養のために常盤電気地蔵祭が催されるそうだ(2008年は7月26日)。これも何かの縁。かみさんの休みと合えば,行ってみたい。
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